これまでも当院では、患者さん本位の医療サービスを心がけてまいりましたが、時代の変化とともに、個々の患者さんのご要望も多種多様に変わりつつあります。
かつては精神科医療を受けることを敬遠なさる方が大変多い傾向がございました。しかしながら最近では、著名人のうつ病闘病記の相次ぐ発表や、認知症介護のドキュメンタリーなどの報道のおかげもあってか、精神科医療の実情がだんだんと知られ、以前と比べますと、特別な不安や抵抗を持たれることなく精神科診療所や病院を受診してくださる方々が少しずつ増えてまいりました。
それでもまだ精神科受診は敷居が高く感じられるような方々のために、当院では入口そのものから開放的で広々とした空間を、そして明るく清潔でゆったりとした待合室を提供し、心の健康に不安や問題をお持ちの方々が、よりお気軽にご相談にお越しいただけるよう心がけております。
からだの病気では、早期発見早期治療という考えが以前から広く知られていますが、心の病気でも同じことがあてはまります。
日々の暮らしの中で強いストレスを感じ、うつ病一歩手前のところで踏みとどまって仕事や家事を懸命にこなしておられるような方々のためには、ゆったりとした個室環境で、日々の生活から一時離れて過ごすための、ストレスケア専門の病室をご用意いたしました。
また早期から治療に取り組み、短期間で社会復帰を目指すための急性期治療病棟も整備しております。
そして様々な生活上のご相談をお受けしたり、社会福祉的サービスの情報提供を行い、また、スタッフがご自宅に直接に伺い生活の場での支援を行うための訪問看護などにも積極的に取り組む、機動力溢れる相談支援室もございます。
醍醐病院では、全職員が一丸となり、一人でも多くの方が健康な暮らしを取り戻すためのお手伝いができますよう、これからもたゆみなく努力を続けてまいります。
外来治療を受けながら、なんとか学校へ戻ろう、仕事に就こう、家事をやろう等々と苦心なさっている方が沢山おられます。ところがご自宅では、
などの問題がなかなか解決できないものです。
このような問題にお悩みの方々のために、当院ではデイケアセンター「ペル・セ」を開設しています。医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、公認心理師等の専属スタッフが、皆様の社会復帰をサポートします。
デイケアの名称「ペル・セ」とは、ラテン語で「自分自身で」「独力」という意味であり、自分の事は自分でするという、当施設のコンセプトの由来になっています。
デイケアには、次のような機能があります。
①プログラム活動を通した、社会的技能・生活技能・対人関係技能の訓練
②アットホームな雰囲気で、安心して過ごせる場の提供
③病気の再発予防
④食生活の改善
⑤生活リズムの安定
そのため、次のような目的をお持ちの方にご利用いただけます。
・退院後の体力作り
・ステップアップに向けて
・交流を楽しみたい
・健康的な心身を保ちたい
デイケアでは、医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、公認心理師等の専属スタッフが、皆様の社会復帰をサポートします。
通所ご希望の方は、主治医にご相談下さい。
時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
ショートケア 9:00~12:00 または 12:30~15:30 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
デイケア 9:00~15:30 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
デイナイトケア 9:00~19:00 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
9:00 | 準備 | |||||
9:30 | 朝の全体ミーティング | |||||
10:00 |
漢字の会(隔週) That's学(隔週) JJクラブ(隔週) wiiゲーム 生き活きクラブ |
卓球 JJクラブ WRAP ハッピー健康クラブ |
喫茶活動(終日) 手芸教室(終日) 麻雀クラブ(終日) 優遊育て隊 |
生き活きクラブ グラウンドゴルフ 脳トレクラブ 料理教室 |
はんなりクラブ JJクラブ SST |
喫茶活動(終日) 手芸教室(終日) |
11:30 |
OTクラブ | OTクラブ | OTクラブ | OTクラブ | OTクラブ | OTクラブ |
昼食・休憩 | ||||||
13:15 午後 |
OTクラブ 書道教室 MCT/フリーキャンパス 軽スポーツ |
OTクラブ 美音倶楽部 ウィンドウズクラブ 羽っ子クラブ ハッピー健康クラブ |
OTクラブ 模型クラブ |
OTクラブ スポーツ(ソフトボール) ウォーキングクラブ アートクラブ |
OTクラブ 手芸教室 映画鑑賞 ビーチボールバレー 羽っ子クラブ |
OTクラブ ウィンドウズクラブ |
グループミーティング | ||||||
デイケア終わりの全体ミーティング・掃除・後片付け | ||||||
19:00 | 入浴 | |||||
室内ゲーム | 軽スポーツ | 音楽鑑賞 | 軽スポーツ | カラオケ | ||
ナイトケア終わりのミーティング | ||||||
ナイト 17:40 |
軽スポーツ 室内ゲーム |
軽スポーツ 室内ゲーム |
麻雀大会A 室内ゲーム |
麻雀大会B 室内ゲーム |
室内ゲーム | |
18:20 | 夕食 | |||||
18:45 | 軽スポーツ | 軽スポーツ | 軽スポーツ | 軽スポーツ | 軽スポーツ | |
19:00 | ナイトケア終わりのミーティング |
※漢字の会/That's学とMCT/フリーキャンパスは毎週交互に行っております。
各種プログラムについて(更に詳しくご覧いただけます)
1月 新年会
2月 節分会
3月 ひなまつり会
4月 さくら祭り
5月 野外調理
6月 社会見学
7月 七夕会
8月 夏祭り
9月 運動会
10月 宿泊体験活動
11月 文化祭
12月 クリスマス会・大掃除
ご家族や主治医と相談の上、当院で一度診察を受けていただいた後に入所の手続きをしてください。
各種健康保険が適応されます。費用のことが気になる方はお気軽にご相談ください。
デイケアでは昼食、デイナイトケアでは昼食と夕食を、自己負担なしで提供しています。
ショートケアご利用の方は、ご用意しておりません。
保健医療自己負担に応じての支払いとなります。自立支援医療(精神通院)も適応されますので、負担金の軽減が図れます。
詳しくは、相談支援室スタッフまでお問い合わせ下さい。
醍醐~山科~伏見中心
※その他の地域についてはご相談に応じます。また、訪問看護に伺う際の交通費は特にご負担はありません。
外来通院中の方、入院治療中の方の日常生活を支援する窓口として、相談支援室を開いています。
経済的なお悩みや、様々な行政への手続き、あるいは生活上の各種お困り事まで、精神保健福祉士と看護師が幅広くご相談をお受けしております。
また、退院を間近に控えた方、退院した方、また外来通院中の方が家庭や地域社会でより暮らしやすくなるよう援助する訪問看護支援サービスも支援業務の柱として取組んでいます。
相談支援室スタッフは、皆さんの主治医と連携し、ご本人やご家族の方々とご一緒に考え、より良い在宅療養についてお手伝いいたします。
●精神疾患を有する方に対するリハビリテーションの1つです。
●心身の機能回復、作業能力の向上、コミュニケーション技能の向上、ストレス発散…等が目的となります。
●入院中、又は通院中の方が対象となります。
新型コロナ感染症対策のため、集団活動は現在休止しています。
個人OTは十分な感染症対策を施した上で実施しています。
また、外来の方の個人OTは月~土の13:30~15:30の時間帯で実施しております。
詳しくは醍醐病院(075-571-0030)作業療法室 までお問い合わせください。
時間 | 場所 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
午前 9:30〜11:30 |
ホール・訓練室 | 個人OT | 個人OT | 個人OT | 個人OT | 個人OT | 個人OT |
ストレスマネジメント・認知リハ・MCT・退院準備G(不定期で実施) | |||||||
病棟 | 〈病棟プログラム〉 | ||||||
午後 13:30〜15:30 |
ホール・訓練室 | 個人OT(外来) | 個人OT(外来) | 個人OT(外来) | 個人OT(外来) | 個人OT(外来) | 個人OT(外来) |
ストレスマネジメント・認知リハ・MCT・退院準備G(不定期で実施) | |||||||
病棟 | 〈病棟プログラム〉 |
※以下、新型コロナ感染症対策により一部に限って実施しています
患者さま一人一人に合わせて作業療法士・医師・看護師・公認心理師・管理栄養士・精神保健福祉士等がプログラムを計画・援助します。
◇他の方と場所を共有しながら、個々の目的に応じた活動を行います。
◇活動種目…
フィットネス
手芸
パソコンコーナー
◇療養生活で落ちた体力を回復及び向上するための活動です。
◇活動種目…
◇疾病教育や認知機能改善、ストレス対処技能、就労支援など、退院や就労に関する知識を得る活動です。
◇活動種目…
NEAR
※ 利用される方と相談しながら、個別にメニューを設定していきます。
各種健康保険が適応されます。活動に伴う材料費は一切かかりません。
費用のことが気になる方はお気軽にご相談ください。
家族の方、主治医と相談し、受付にて手続きをお願いします。
見学はいつでも受付していますのでお気軽にお申し出ください。
栄養課には以下の免許取得者が在籍し、院内の食事に関するさまざまな取り組みを行っています。
・日本精神科医学会認定栄養士 2名
・京都府糖尿病療養指導士 2名
・健康運動指導士 1名
食事療法が必要な患者さまには、管理栄養士が医師の指示に基づき、お食事の改善方法をわかりやすく丁寧にアドバイスし、納得して実践していただけるように説明する栄養指導を行っています。
外来の患者さまには「食生活診断システム」も取り入れています。1日の食事内容をお聞きし、どうすれば健康によいお食事ができるかご一緒に考えながら、無理のないようお話していきます。
お食事についてわからないことがありましたら、アドバイスを聞いてみませんか?
デイケアでは、管理栄養士によるお昼の料理教室とナイト料理教室があります。
「各地の郷土料理」「和洋デザート」「秋の味覚シリーズ」など趣向をこらした料理作りの楽しさを通じて、食材に関する知識や料理技術を身につけていただき、食生活のサポートをさせていただいています。
作業療法での健康教室にも、管理栄養士が加わっています。
食べ物や健康に関するクイズ、運動すごろく、食べ物神経衰弱などの手作り教材を使用し、楽しくためになる健康教室を行っています。
月に1回は低カロリーのおやつ作りを行い、作って食べる楽しみも大好評です。またご希望により体重、体脂肪測定を行い、毎回の記録も付けています。
精神科では薬物療法が治療の基本となるため、薬は長期にわたって服用することが多く、副作用・相互作用・重複投与などの薬学的管理が必要となってきます。特に副作用などは*1 コンプライアンスの低下をまねき、治療の継続を困難にさせ、再発・再燃につながることも少なくありません。
患者さんにご自身が飲んでいる薬への理解を深めてもらい、自らが治療の主体であることを認識され治療に参加していただくことが重要です。
薬の知識を持っていただくことにより、患者さんご自身が様々な副作用を回避し、あるいは副作用が発現した場合においても的確な対処が可能となり*2 アドヒアランスの向上へとつながっていきます。そのために、適切な薬剤情報の提供をさせていただきます。
*1 コンプライアンス:医師の処方したとおりに薬がのめていること
*2 アドヒアランス:自分の意思により処方された薬をのむこと
入院治療を受けて辛い病気の症状も癒え、いよいよ退院間近とはなったものの、住み慣れた自宅に帰って一人暮らしをするにはまだ自信が持てない、自宅と病院との中間ぐらいの生活の場は無いだろうか?
このようなご要望にお応えするために作られた施設がグループホームです。
当院では、「ひがしの」「やすらぎ」の2カ所のグループホームを運営しています。
どのグループホームも、5人の方が共同生活をし、それぞれの自宅で自立生活ができるようにトレーニングをしています。
グループホーム世話人、訪問看護スタッフが、入居者のお世話にあたり、社会復帰をサポートしています。